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釜石大槌バークレイズ林業スクール「短期集中コース」を実施

第4期目を実施中の釜石大槌バークレイズ林業スクール。
お盆明けの8月17〜21日に「短期集中コース」を実施しました。これまで無料で実施してきたものを、実費の半額(3万1500円)を参加者に負担していただく有料化に踏み切って初の開催となりましたが、定員を上回る12名の応募をいただき、12名全員に受講していただきました。バイオマスや再生可能エネルギーに関係するお仕事をしている方、これから林業に参入しようと考えている企業の方など意欲的な方々にご参加いただきました。

 

●1日目 <講義「世界と日本の森林・林業」、/チームビルディンググループワーク>

午前中は、

・「釜石大槌バークレイズ林業スクール」校長で、釜石地方森林組合参事の高橋から、当組合の東日本大震災後の取り組みや、震災前からの集約化施業、間伐の意味などについて説明

・スクール顧問で「森と木の技術と文化研究所」の内田健一先生から、日本の林業の現状、課題についてを解説

ーーを行いました。

 

いきなり専門用語も飛び出し、初日ということでメモをするのに苦労した方もいたかと思いますが、講師陣の熱気と林業の奥深さは伝わったのではないでしょうか……。

 

午後は、

・都留文科大の高田研教授によるコミュニケーションとリーダーシップを体感するチームビルディングのグループワークを実施しました。

こちらのチームビルディングは第1期の<通年コース>以来毎回必ず実施していますが、毎回、スクールの全講座のなかでもっとも好評を博しているといっても過言ではありません。今回も男性12名のあいだに早くも連帯感が(笑) 一気に参加者同士の距離が縮まりました。

 

 ●2日目 「森の診断と施業(育林)技術 〜調査から間伐まで」

 まずは講義からスタート。「天然林」「天然生林」「人工林」という用語や「目標林型」とは何か、間伐にはどんな種類があるのか、などについて学習しました。「間伐」と聞くと、成長の悪い木を切って将来有望な木を残すのかな、というイメージを持っている方もいるかとおもいますが、それだけではなく、地形や樹種(木の種類)、そして「目標林型」などさまざまな要素を複合的に勘案して、どの木を間伐の対象にするか決めるということが理解してもらえたかとおもいます。

 理論を知った上で、釜石市根浜地区の山林へ。

昼食を撮った後、間伐作業の様子を見学。当組合の所属で4月から岩手県の「いわて林業アカデミー」に通学しているルーキー東梅とベテランがそれぞれチェーンソーでの伐倒をお見せしました。経験による違いをわかってもらえたしょうか?

その後、自分たちで15×15辰寮喫形の区画(プロット)をみんなで作り、プロット内のすべての木の太さ(胸高直径)を測った上で、どの木を間伐の対象とするかを選ぶ作業(選木)をしました。

 

 その後に両グループから調査の結果と間伐率や対象木を選んだ理由を発表。講師の内田先生と高橋参事と受講生とで「なぜこの木を選んだのか」についての質疑応答、そして講評を行いました。まわりに比べて細い木が選ばれていることが多い様子でしたが、必ずしもそれが正解ではありません。その理由や伐る木を選ぶ理由について補足で解説。病気にかかった木を見極めるポイントなど様々な木の見方を学習しました。

 

●3日目 作業の安全/刃物・チェーンソーの扱い

 3日目は間伐や山の手入れに用いる刃物やチェーンソーの使用について学びました。すぐ近くの釜石鵜住居復興スタジアムでは杮落としのイベントが開催されたくさんの人たちでにぎわいバスが行きかうなかでのスクールとなりました。

冒頭、1時間半ほど、刃物がどのようにできているかという原理を知った後で、なたやカマの手入れ、研ぎ方を実習し、実際に下刈り用の鎌で草刈に挑戦しました。

 

 続いてチェーンソー。こちらも構造を確認した後で、ソーチェーンの目立て(「目立て」というのは研ぐことです)。

チェーンソーが切れるようになったところで、全員、丸太を伐ってみました。
今回は初めてチェーンソーを持つという方がほとんどでしたが、それぞれのレベルに合わせて内田先生と参事からアドバイスをしました。

 

●4日目「測量」実習

 この日は、林業のすべての作業の前にやらなくてはならない「測量」のやり方を学びました。「測量」というと建設や土木のイメージがあるかと思いますが、林業の現場でも山林所有者さんの山林の面積を知る大事な作業です。今回は、林業スクール史上初めて、測量会社の幹部が参加。……ということで、精度の高い機械も飛び出し、釜石地方森林組合の職員にとっても大変勉強になりました。

 内田先生から測量用の「コンパス」の使い方の説明のあと、山林での作業経験がない受講生が多かったため、実際の山林ではなく平らな場所で測量を行いました。

受講生は2グループに分かれ、メジャーとコンパスを使い、決められた20箇所のポイントを測りました。

 

午後は、その結果をエクセルに入力し、両グループの誤差などをチェック。


 

それぞれのグループで、なぜ誤差が出てしまったのか原因を話し合いました。

終了後、当組合が提案してきた釜石鵜住居復興スタジアムの木製シートやルーバーの見学に。

この4日間で実習は終了です。

 

 

●世界の林業/釜石地方森林組合の取組/振り返り

 例年、最終日は座学と5日間を振り返っての質疑応答です。

内田先生から「世界の林業と日本の林業」についての講義。続いては参事から「釜石地方森林組合の取組」について。この4日間で身についた林業や森林についての基礎知識を生かしてみなさん熱心にメモを取っていました。

また、振り返りでは、5日間の感想や質問のほか、このスクールでの経験をどのように日常に生かしていくのかといった視点での報告もされました。

 

今回、短期集中コースを有料化して初めての実施でしたが、さまざまな世代、職種の方が集まってくださいました。

みなさんからお預かりしたアンケート結果も踏まえて、次年度に向けて課題点は改善していきたいと思います。

 

受講生のみなさん、おつかれさまでした!

 

(林業スクール担当:手塚さや香)

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