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釜石鵜住居復興スタジアム、仮設スタンドも完成!

 これまでも何度かに分けてお伝えしてきた「釜石鵜住居復興スタジアム」(ウノスタ)がとうとう、仮設スタンドも含めてすべて完成しました!!!

(手前が仮設シート。芝の向こうが本設シート)

 

今年秋に開催されるラグビーワールドカップ(RWC)、そして7月27日に控えたパシフィックネーションズカップ(PNC)を待つばかりです!

(7月6日に行われた釜石シーウェイブスの試合の様子)

 

これまでにもいくつかの記事で工事の進捗についてはお伝えしてきました。

ルーバー設置開始→ http://blog.kamamorikumi.jp/?eid=216

木製シートについての記者会見→ http://blog.kamamorikumi.jp/?eid=231

木製ラウンジ工事の進捗→ http://blog.kamamorikumi.jp/?eid=288

木製ラウンジ完成!→ http://blog.kamamorikumi.jp/?eid=296

 

RWC、PNCを前に、木材利用の実績についてまとめたいと思います。

 

◆釜石市尾崎半島林野火災被害木を活用

 すでに何度もお伝えしているので覚えてくださっている方もいるかもしれませんが、このスタジアムに使われている木材の大半は2017年5月に釜石市尾崎半島で発生した400ヘクタール以上の山林が焼けた大規模林野火災の被害木です。通常、「縁起が悪い」などと言われて住宅建設などには嫌厭されがちな山火事被害材ですが、今回、釜石市の英断でこの復興スタジアムにたくさん活用していただきました。

 それが報道されたことで、「山火事で焼けた木でも加工すれば普通の木と遜色なく使える」ということが製材所や加工施設にも伝わり、スタジアムでの利用が決まって以降、地元釜石大槌や岩手県内はもとより東北地方の工場などにも安定的に取引していただいています。

 

 最近では、被害に遭った所有者さんも見学され、ご自身の山林の木が活用されている様子を喜んでいらっしゃいました。

 

 

◆昨年完成の本設部分

昨年8月に完成した本設(ワールドカップ開催後も半永久的にそのまま利用される施設)は

本設シート 4990席(全6000席中)
公衆トイレ(「森の貯金箱」グループ特許工法を採用) 2棟
メインスタンドルーバー(目隠し) 751本
じゃかごベンチ 108基

 

 こちらは

・使用した林野火災被害木の量 =310㎥(約50年生スギ800本分相当)

・使用した木材 =3,100,000円分相当

 

◆今年完成した木製ラウンジや仮設シート

木製ラウンジ(VIPルーム等)  8棟
公衆トイレ(「森の貯金箱」採用)  3棟
仮設シート  6300席(1万席中)

 

 こちらは

・使用した林野火災被害木の量 =490㎥(約50年生スギ約720本分相当)

・使用した木材の価格 =4,900,000円相当

そのほか

・木製ラウンジ床板(カラマツ)

・針葉樹合板

ーーについても岩手県産材が活用されています。

 

◆林野火災被害木活用の経緯について

 世界に釜石の復興を発信していくスタジアムに地域の木材を利用してもらいたい、というのは、招致が決定する前からの釜石地方森林組合の悲願であり、招致決定後、地域の山から出た間伐材で木製シートのサンプルを作るなどして釜石市に木製シート導入を提案してきました。

 

 その当時は、間伐材で作ったシートを仮設スタンドに利用してもらえれば……との思いでの提案でしたが、検討が進んでいた2017年5月、釜石市の尾崎半島で413ヘクタールという広大な山林が焼ける火災が発生、表面が焼けてしまった立木の販売先がすぐには見つからない状況でした。

 立木が販売できないと、所有者に木材販売代金を返すことができません。50年ほど前に植林した費用やこれまでの間伐などにかかった費用の分だけまるまる赤字になってしまいます。

 

 そのような窮状を打開するきっかけになれば、ということで、釜石市はスタジアム建設に林野火災被害木を活用することを決め、当初、当組合で提案していた仮設シートだけでなく、本設のシートやトイレ、さらにラウンジなどにも林野火災被害木が使われることになりました。

 

 公共の施設に採用されたことで、表面が黒く焼けていても木材の品質には問題ないことが広く伝わり、その後は釜石管内や岩手県内、さらに東北他県からも取引したいとの声がかかり、これまで順調に販売が進んできました。

 

 森林組合としては、予想外でもあり、大変ありがたかったのは、木製ラウンジに「森の貯金箱」工法が採用されたことでした。

 

 この工法は、東日本大震災後、自宅を失った当組合の職員や地域住民の皆さんに少しでも安く住宅を再建してほしいという思いで、岩手県森林組合連合会や結設計、リンデンバウム遠野などの協力で開発されたものです。釜石・大槌地域の住宅のほか、教育施設にも採用されました。

 地域の復興のために開発したこの工法が、復興の象徴となる釜石鵜住居復興スタジアムに採用していただけたことは、大変ありがたいことであり、あらためて、地域の復興や活性化への思いを強くしました。

 

 ご存知の方も多いと思いますが、このスタジアムは津波で被災した釜石市立鵜住居小学校・東中学校が建っていた場所であり地域の方々にとっては特別な場所です。さまざまなメッセージが込められたスタジアムが地域はもちろん、世界から来る方々に愛される場所になるよう、願ってやみません。

 

 敷地内のトイレ棟には、これらの経緯をまとめたものを写真つきでご紹介していますので、ぜひ会場でご覧ください。

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